水セメント比の大きなポルトランドセメントの水和反応と硬化体の微構造

摘要

高機能特殊増粘剤と高性能減水剤を併用して水セメント比の大きな普通ポルトランドセメント及び低熱ポルトランドセメント硬化体を作製して、養生時間による結合水量の変化、水和物の形態変化、細孔構造の変化などを検討し、以下の結果を得た。 WC比1のセメントペースト中では、セメントの水和は普通の水セメント比の試料に比べ速く進行し、セメント中のビーライトは水和91日でほとhど水和する。 生成するC-S-Hの形態は普通セメントと低熱セメントでは異なり、そのため普通セメントと低熱セメントでは細孔径分布の経時変化がかなり異なる。 また、水銀圧入法の測定を二回繰り返すことで水セメント比の大きな硬化体ではインクボトルの細孔量は普通の水セメント比の試料に比べ少ないことなど硬化体の微細構造の形成過程を検討することができることなどを明らかにした。