グローバル化に対応するプラスチック金型用鋼--Ⅱ.プラスチック金型関連の新技術--1.成形方法（ウエル、ドレス成形）

摘要

ウエルドレス製造システム（以下、本システム）は、ガスアシスト、発泡成形、ガスプレス、2色成形、インサート成形など既存成形技術と組み合わせることで射出成形の持つ可能性を大きく広げることが出来る。従来のガスアシストは、成形品の内部を中空化することで剛性を落とさずに薄肉化、軽量化するが、本システムでは中空部分が均等に開き、重量バランスも向上する。従来のガスアシストは、樹脂をゆっくり注入し、体積の70～80％になったところでガスを注入する。この時、従来の金型でガスアシストを行うと樹脂が片寄った状態になる。これを回避し、中空率を拡大するためには、押し出された樹脂を排出する捨てキヤビが必要となる。捨てキヤビは射出ごとに捨てられるため、材料費や資源の有効利用の点で大きな無駄となる。また、従来のガスアシストは、樹脂注入速度が遅いため成形サイクルが長く、先に注入した樹脂の硬化が早く、末端まで中空部分を均質に作れないなどの問題がある。