TCPオーバレイネットワークにおけるTCPコネクション分割機構の性能解析

摘要

近年、ユーザの要求するサービスは多種多様で高度になっている。 この要求に応えるため、我々はアプリケーンヨン層やIP 層で品質制御を行うのではなく、トランスポート層において品質別御を行うTCPオーバレイネットワークに関する研究を行っている。 TCPオーバレイネットワークにおいて－は、通常エンドホスト問に設定されるTCPコネクションを、ネットワーク内のノード (TCPプロキン）で終端することによってTCPコネクションを複数に分割し、分割されたコネクションごとにパケットを中継しながら転送を行う。 その結果、エンドホスト間のデータ転送におけるスループットの向上が期待できる。 しかし、既存システムの変更を最小限にどとめるために、TCPの輻輳制御アルゴリズムを各中継ノードにおいて独立に動作させる場合、それらが互いし干渉し、その結果期待するほどのスループットが得られないことが明かになった。 本稿では、この問題を考慮したエンドホスト間のスループット解析を示し、その妥当性をシミュレーションとの比較により検証する。 また解析結果から、効果的なTCPコネクション分割機構の導入シナリオについて議論する。