バイノーラル録音を用いた立体音響IP電話サービスにおける臨場感の評価

摘要

本研究は，筆者らの提案する立体音響IP電話サービスがユーザに与える臨場感を，被験者を用いた実験により評価する．本実験では，実際に3人の頭部を用いてバイノーラル録音され，符号化された後，IPネットワークで伝送された音声を評価用の音声として使用している．実験結果から，本サービスを利用することにより，客観品質が同程度であるにも関わらず，ユーザの受ける臨場感はモノラル録音された音声のものよりも高くなることを確認している．また，今回の実験では，臨場感と音源定位との間には，明確な関係がないことも示している．