サービス停止時の損失に基づくネットワーク要求信頼性決定手法の一考察

摘要

通信ネットワークの信頼性設計の第一歩として，ネットワークに求められる信頼性を決定する必要がある．我が国においては，主に電話網を対象に，サービス停止時の損失に基づいて要求信頼性を決定する方法が整備されてきた．しかしながら，従来の手法は，ネットワークの各部分に対して標準的なモデルを作成し，その定型的なモデルの下での損失の期待に関する検討から，要求信頼性を導くものにすぎなかった．よって，例えば制御綱と伝達網が画然と分離されず，定型的なモデルの描きにくいような綱構成に対しては，有効な解決を与えることが出来なかった．本報告では，このよう状況にも適用できるような信頼性要求決定法を構築すべく，通信の需要とサービス停止時の損失を，ネットワーク要素に割り付けることで要求信頼性を自動的に決定する手法を検討した．