高符号化率までパンクチャ可能なLDPC符号に関する一考察

摘要

本研究では，高い符号化率まで可変なLDPC（RCP-LDPC）符号を構成するための効果的なパンクチャドビットの選択法を提案する。J. Haらの復元レベルに基づくパンクチャドビットの選択法では，優れた復号性能をもつRCP-LDPC符号を構成できるが高い符号化率までパンクチャできない．そこでHaらの手法に加え，ピボットと呼ばれる符号語ビットを置換する手法を応用することで高い符号化率までパンクチャ可能となる．しかしパンクチャドビットの復元レベルが急激に増加してしまい，復号性能を劣化させてしまう。そこで本研究では，復号性能をなるべく劣化させずに高い符号化率までパンクチャできるようにするため検査行列の構造を利用した評価関数を導入し，復元レベルを小さく抑えるパンクチャドビットの選択法を提案する．また計算機シミュレーションによる実験結果から，提案した手法によって符号化率が可変な範囲は大きく，復号性能が良好な符号が得られることを示す．