空間分割多重伝送におけるアンテナ素子当たりの最大出力を考慮した送信重み制御手法の検討（2）－時変伝搬路における帰還型制御適用時の特性評価

摘要

送受信空間フィルタを用いるMIMO空間分割多重伝送において，各アンテナ素子から送信可能な電力が制限された場合の送信重み最適化手法が検討されている．本論文では，アンテナ素子当たりの最大送信電力が制限されたMIMOシステムにおいて，伝搬路特性の時間変動が通信品質に与える影響を評価する．上下回線間での伝搬路相関が低いFDDシステムを仮定し，下り回線における伝搬路変化量を上り回線において周期的に帰還する方式を適用する．また，受信機側で求めた送信重みの差分情報を帰還する方式の特性を評価し，比較検討を行う．それらの方式を適用することで伝搬路変動下での検討システムの伝送特性を改善できることを計算機シミュレーションにより示した．