超音波振動テーブルの加工への適用事例

摘要

近年，情報機器·精密機器や医療機器などの先端技術と技術的発展に伴って高分子樹脂，光学ガラスなどといったさまざまな材料への微細加工技術の確立が早急な課題とされている．しかし，穴径や溝幅が小さくなるほど，工具の寿命も短くなり生産性が低下してしまう．一方，研削砥石あるいは被加工物のいずれか一方に超音波振動を与えることにより，加工能率が向上し研削抵抗も減少するために，研削損傷の少ない加工が可能であることが報告されている．超音波振動を与えながら被加工物を加工することにより寸法精度や形状精度および工具寿命の向上，連続した加工が可能になると考えられる．このような観点から被加工物に振動を与える超音波振動テーブルを開発した．通常超音波振動は工具側に与えるがその場合形状や寸法に制約が多い．これに対して加工テーブルに振動を与える方式であれば工具の形状を選ぶ必要がなくなるのでどhな工具を用いても超音波振動加工を行うことが可能という大きな利点がある．本報告では，各種難加工材料に対して開発した超音波振動テーブルを用いて微細穴や微細溝を加工した結果を示し，本法の有用性を紹介する．