建設機械の騒音

摘要

各地方公共団体に寄せられた騒音苦情件数では，10年前の平成8年度から16年度に亘り，建設騒音苦情は常に工場·事業場騒音苦情に次いで多く，両者で全苦情の過半数を上回っている。 建設騒音の場合，平成11年度（約3,000件）から漸増し，16年度には全苦情件数約18,000件の28％（約5,000件）を占めている。 都道府県別では，東京都，大阪府，愛知県，神奈川県などの都市部に集中している。 一方低騒音型建設機械の指定型式数は年ごとに着実に増加し，平成9年時点の旧基準に基づく型式数が2,737，同10年の新基準型式数568が同18年3月時点で3,457に達して，その36％は油圧ショベルである。 これは，建設工事の重点が産業基盤整備から道路工事や管·水道工事など都市の生活関連整備に移行して来たことによる油圧ショベル市場の急成長に因るもので，ミニショベルを加えた生産台数は日本建設機械工業会の2005年度建設機械生産台数統計によると，掘削機械（油圧ショベル）が第一位で，全体の40％を占めている。 本稿では，代表的建設機械である油圧ショベルの場合について述べる。