原子力発電所の保守·点検：II.定期検査期間短縮への取組み

摘要

本章では，1993年から実施してきた中部電力の定検期間短縮への取組みについて紹介する。 1,100MW級BWR発電所の標準的な定検期間は，76日程度となっていたが，浜岡原子力発電所における1994年までの定検期間は最短で81日であった。 一方，米国の原子力発電所では，発電コストの低減のために定検期間の短縮化が進hでおり，法規制の違いはあるにしても20日台の定期点検も行われていた。我が国でも1995年に電気事業法が改正され，競争原理の導入や電気料金制度見直しによる経営効率化が求められてきた。原子力においても安全確保が前提の上で，発電原価低減のための利用率向上策として，信頼性の維持と定検期間の短縮が必要となってきた。