高温ガス炉の新展開：V.ペブルベッド型炉とブロック型炉の比較

摘要

前章までに示したように，高温ガス炉には，ペブルベッド型炉とブロック型炉がある。 前者は，ドイツを起源とし，南アフリカのPBMR，中国のHTR-10で採用されている球状燃料を用いる炉で，後者は，米国(FSV, GT- MHR)および日本(HTTR, GTHTR 300)を中心に開発が行われてきた六角柱状黒鉛ブロック燃料を用いる炉である。 ペブルベッド型炉とブロック型炉の中には，目的·用途，規模などの違う様々なものがあり，単純に比較できるものではないが，本章では，ガスタービン発電用モジュール型高温ガス炉を前提に，我が国に設置する場合を例として，経済性，運転·制御性，安全性，燃料サイクル，核拡散抵抗性，環境負荷低減，開発コスト·リスクなど，主な指標ごとにその特徴を比較する。