高速炉の変遷と現状：第9回 再処理関連の歴史と現状

摘要

高速増殖炉(FBR)サイクルを確立するために不可欠となるFBR燃料再処理技術の開発は，FBR開発に合わせて昭和50年から本格的に開始され，PUREX法をベースとした再処理技術については，プロセス·機器開発の成果に基づき，国内で試験施設を建設できる段階にまで仕上がった。その後，環境負荷低減，核不拡散性への配慮等，将来の社会の多様なニーズに対応できる技術の可能性を追求し，技術の選択の幅を広げていくことが重要視され，「アクチニドのリサイクルを行う先進的な核燃料リサイクル技術」の研究開発に取り組む必要性が謳われ，平成9年12月の原子力委員会「高速増殖炉懇談会」の報告等も踏まえ，開発は「FBRサイクル実用化戦略調査研究」(FS)に受け継がれ，現在の「FBRサイクル実用化研究開発」（FaCTプロジェクト）に至っている。以下においては，FBR燃料再処理技術開発の歴史と現状について述べる。