進化を続けるデバイス·補器·冷熱機材の技術：搬送関連デバイス－換気システム·デバイスの進化

摘要

一般にオフィスビルでは，年間を通じて空調運転時間が長く，かつ床面積当たりの換気量も多いため，換気負荷（換気によって発生する空調負荷）や換気装置の消費エネルギー量が大きくなり，したがって換気システムの省エネ対策は二酸化炭素排出量削減に大きな効果をもたらす．一方，床面積に対する換気量がオフィスより少なく，またダクトレスが一般的で送風機入力も小さい一般住宅では，住宅全体に占める換気の消費エネルギー量は必ずしも高くなかったが，近年の住宅の高性能化による冷暖房負荷の低減や，24時間運転の義務化から，換気が占める消費エネルギーの割合は無視できない量となってきており，より強力な省エネ推進の観点からも，住宅用換気システムに対する省エネ要求は，ますます大きくなってきているのが実情である．本報ではこのような背景を踏まえ，換気システム·デバイスの変遷と最新技術動向，今後注目される機能などについて述べる．