災害からのサプライチェーン復元力と可視化の役割

摘要

リスク対策としては、防止や予防に目が行きがちであるが、産業にとっては、事業継続の障害からの復旧が非常に重要であり、最短の時間と最小の労力や費用で元の状態に戻すことが、その後の経営の立て直しの鍵となる。事業継続という視点から復元力に優れた企業組織やシステム的対応が重要である。米国を中心とするグローバル企業における物流関係の重要課題として、事故や災害といった危機による機能損傷後の復元力、レジリエンシー（resiliency）と呼ばれる概念が重視されているのはこのためである。ここではレジリエンシーに対して情報システムがはたす役割について考えてみたい。