新しい酸化分解法と明場適用事例：マイルドフェントン法－ジェットブレンド工法によるVOCの浄化事例

摘要

VOC（揮発性有機化合物）や油類等による土壌汚染の浄化では、大規模な土木工事が必要となる掘削除去と比較して、原位置浄化が施工性やコスト面で有利であることが多く、様々な物質やサイト条件に対応した原位置浄化技術が求められている。酸化分解法は浄化剤の酸化力を用いて汚染物質を分解する浄化手法であり、微生物処理や遼元鉄粉法などと比較して、浄化期間が短く、分解可能な物質が多い。そのため汚染物質毎に薬剤の種類を変える必要がないという優れた特徴がある。しかし、浄化剤によっては、反応性が高いことから安全管理に注意を要すること、また、場合によっては土壌のpHを大きく変化させてしまうことが難点として挙げられ、浄化剤の改良と浄化剤を地盤中の汚染物質と効率的に接触させる施工法の確立が課題であった。ここでは、上記の問題を解決するため、三菱ガス化学㈱と鹿島建設㈱が共同で開発したマイルドフェントン法－ジェットブレンド工法に焦点をあて、その概要及び試験的な施工例を紹介する。