偏光フィルム用粘着剤

摘要

近年のディスプレイの進歩には目覚しいものがある．中でも液晶ディスプレイ（以下LCD：Liquid Crystal Displayと略）は，薄型·軽量·低消費電力といった特徴を活かし，携帯電話，デジタルスチルカメラ，PDA，カーナビゲーション用モニターのような中小型用途からディスクトップ型パソコン用モニター，液晶テレビなどの大型用途まで幅広く用いられるようになり，いまやNo.1のディスプレイデバイスとなっている．また，モニターやテレビ用途では14または15インチサイズが主流であったが，最近では17インチサイズが中心となっており今後更なる大型化が予想される．図1に一般的なLCDパネルの構造を示す．LCDには通常，偏光フィルムや光学補償フィルムの他にも高品位ディスプレイとしての要求特性を満たすために輝度向上フィルムなどの様々な光学機能を有するフィルムが積層された構造となっており，これらのフィルム同士，またはフィルムと液晶セルとの貼合には，多くの場合粘着剤が用いられている．本報ではこれらのうち偏光フィルムと液晶セルの貼合に用いられる粘着剤の要求特性とその開発について述べる．