農用トラクタの実作業における排出ガスの実態に関する研究（第1報）－は場作業の再現運転による排出ガス質量の推定

摘要

近年ディーゼルエンジンの排出ガスが問題視されており，農業機械においても例外ではない。 このため，農用トラクタのほ場作業時の排出ガス実態を把握し，作業方法との関連から排出ガスの低減方法を検討した。 本報では，一般的な作業であるロータリ耕うhについて，は場作業時の排出ガス濃度の測定と，PTO性能試験装置を用いた再現運転時の排出ガス濃度及び質量の測定を行った。 その結果，再現運転時の換算エンジン軸トルク及び回転速度は，は場作業時に測定した実際の値と同様の結果を示し，排出ガス濃度も概ね同様の傾向を示した。 そこで，再現運転によりトラクタのロータリ耕うhの様々な負荷条件による排出ガス質量を調査した結果，所要動力の違いにより，仕事量当たりの排出量が変化する可能性が示唆された。