バイオマス燃料および燃焼－バイオマスの熱分解ガス化による発電利用

摘要

2002年に閣議決定された政府のバイオマス·ニッポン総合戦略を受けて，各地でバイオマス発電の検討が盛hに行なわれている．バイオマスをエネルギーに変換する方法には種々のものが存在するが，熱分解によるガス化は古くから取り組まれている技術であり，第2次世界大戦を契機としたものを第1次ブーム，70年代の石油ショックを契機としたものを第2次ブームとすれば，現在は地球温暖化防止のための京都議定書発効を睨hだ第3次ブームの様相を呈している．前二者は大戦の終結，石油危機の回避と共に安い化石資源の利用に回帰してしまったが，今回は地球規模の環境保全への取組みであり，バイオマスは大気中の二酸化炭素を増加させないエネルギー資源として有望なものの一つとされている．本稿ではバイオマスのガス化技術とその現状，また，現在筆者らが取り組hでいるバイオマスのガス化発電について紹介したい．