直観主義論理に基づく統合セキュリティモデルのアクセス規則について－競合属性と階層属性を組み合わせた場合

摘要

社会システムのアクセス制御属性は，社会システムを制御するための必要条件である．従って“アクセス制御対象と言う事実とそれを記述する意味論が一致する時が真理である”と言う設計コンセプトは却下される．その代わりに事実には様々な見方がある可能性を認め，それに対応した記述を目指す事をセキュリティモデルの設計コンセプトとする．直観主義論理は事実の可能性を記述する必要条件である．直観主義論理によって次に示す記述が可能となる．（1）“アクセス制御属性”及びアクセス規則の追加·改訂の可能性を記述する事．（2）知識全てを知らずとも可能性の中から証明を記述する事．（3）アクセス行為の過程としてcovert channelのプロセスを記述する事．競合属性と階層属性のアクセス規則が組み合わされる場合について，直観主義論理によるアクセス規則が“アクセス制御属性”の追加·改訂の可能性を記述する事を示す．