食品の品質情報を統合的に管理するシステムの構築

摘要

2001年からの5年間は，食品業界を取り巻く環境が激変した波瀾の期間である。 アレルゲンの表示義務の法制化がなされ，未認可原料による回収やBSE問題，遺伝子組替え食品，トレーサビリティシステムの流行，中国や米国などの外国産原料の問題，さらなる品質管理の法制化など，食品業界に身を置く企業では様々な内外の問題への取り組みを今も行っている。 この激動の期間に，ある大手の食品会社から始まり，当社はこれまで30社を超える食品製造業の品質管理システムの構築に携わり，その際に研究所や製造部門，商品企画部門などあらゆる部門のユーザーと直接お話をする機会をいただいた。 そこで得たアイデアは次のシステムに昇華され，その繰り返しの中で凝縮して出来上がった現在の品質管理システムを「品質情報を統合的に管理する」という視点から述べる。