冷媒HCFC123の細管内核沸騰の可視化（沸騰開始点近傍における気泡成長）

摘要

ミニチューブやマイクロチューブ内の強制対流沸騰における流動伝熱特性は，既存のマクロスケール管（内径6～20mm）における流動沸騰モデルでは予測できないことが指摘されているが，熱伝達率が管径，質量流束，熱流束，クオリティなどによってどのように変化するのかといった基本的特性についても未だ明らかではなく，統一された見解は得られていない．著者らは，細管内の流動伝熱モデルを構築するため，ITO膜を蒸着したガラス管を用いて細管内における沸騰·蒸発の可視化を行っている．環状流となる高クオリティ領域を除き，核沸騰開始点近傍における蒸気生成がそれ以降の流動様式や伝熱特性に影響する可能性があると考え，まず沸騰開始点近傍における核沸騰現象の可視化を行ったので，ここで紹介する．