動的シミュレーションを用いたNH_3-H_2O 系溶液輸送型吸収冷凍機の10000 m 輸送配管が制御性および冷媒,溶液受液器に及ぼす影響

摘要

水/臭化リチウム吸収冷凍機は，コージェネレーションの低温排熱を熱供給源として，地域冷暖房設備に導入されている[1]．一般的に熱供給源と冷水の需要家は距離が離れているため，熱供給源側で吸収冷凍機により製造した冷水を，需要家までパイプラインで長距離輸送する．ここで，熱輸送時に熱エネルギーロスが生じるため，排熱を有効利用できてはいない．これまで常温で熱を輸送する技術として，溶液輸送型吸収冷凍サイクル (Solution Transportation Absorption chiller: STA)を提案している[2]．このシステムは熱エネルギーを濃度差に転換して輸送しているため，長距離熱輸送時に熱エネルギーロスを生じない．また，冷媒吸収剤の組み合わせとして，環境温度下の輸送配管で結晶が生じない，アンモニア/冷媒を用いている．