プレート式熱交換器におけるR1123/R32混合冷媒の局所蒸発および凝縮熱伝達

摘要

次世代の冷凍空調機器開発においては，効率や性能の追及のみならず，オゾン層破壊や地球温暖化の観点から，冷媒の環境適合性に配慮することが先進国を中心に強く求められている.地球温暖化係数の小さいHFO系冷媒はHFC系冷媒に代わる次世代冷媒として注目されており，種々の冷媒が検討されている.本研究で用いるR1123は，GWPは低いものの純物質の状態では化学反応性が高いため，混合冷媒としての利用が検討されている.本研究では，R1123とR32の混合物（R1123: 40mass%, R32:60mass%)を冷媒とし，プレート式熱交換器内の伝熱特性の把握を試みる.プレート式熱交換器は，他の熱交換器に比べて単位容積当たりの伝熱面積が大きく，冷媒使用量を削減することができ，HFO系冷媒の利用において有効であると考えられる.プレート式熱交換器を沸騰·凝縮熱交換器に用いると，流路において気液の不均等な流量分配が生じるため，局所熱伝達率がプレート流路の流れ方向だけでなく幅方向においても変化すると考えられる.そこで本研究では，プレート式熱交換器流路の局所における沸騰および凝縮熱伝達率の測定を行い，伝熱特性の検討を実施した.本報ではその結果について述べる.