製品と技術：空気圧を利用した医療用輸液加圧装置－常に一定圧で正確な量の輸液（点滴、輸血）を患者に投与する装置

摘要

一定圧で正確な量の輸液（点滴、輸血など）を医療現場で患者に投与するための医療用加圧装置「加圧バッグュニット」（写真1）を研究·開発したので紹介する。 医療現場に於ける点滴器具は、輸液の残存重量による自然落下方式であるため、液量が少なくなると圧力が低下し、投与量減少につながる恐れがある。 特に手術中の輸液投与は正確な量が行われなければならず、輸液の影響を大きく受ける患者に対して一定時間あたり一定量を投与できる装置が必要とされていた。 手術中の投与量減少を防ぐために手動で輸液バッグを加圧して輸液供給を促す器具もあるが、加圧を頻繁に手動で的確に行なわなければならず、操作ミスなどによるリスクが大きいものであった。 また、院内設備のエアー配管や電気配線を必要とする装置では患者の搬送や移動時に支障をきたすため、それらを常時必要としない小回りの効く装置でありながら、緊急時には、数量不足とならないよう、コストを抑えた装置が求められていた。