階間調整機能付きダブルデッキエレベータの省エネ設計

摘要

超高層ビルでの大量輸送を可能とするダブルデッキエレベータの有効性は以前から知られているが，上下のかご室間隔が固定されているために，階高が異なる建物に対応できず，建築設計が制約される場合がある．とくに近年では建物のデザインが多様化する傾向にあり，ロビー階の階高が大きかったり，上層階に異なる階高の含まれる場合も多い．このような場合，従来の階高固定のダブルデッキエレベータでは，エレベータサービスに支障をきたすことになる．われわれはこの短所を解消し，ダブルデッキエレベータの長所を最大限に活かすため，上下のかご室間の距離を着床階の階高に合せて自由に調整できる階間距離調整機能付きダブルデッキエレベータを開発した．本ダブルデッキエレベータは，独自の駆動機構を採用したことにより省スペース·省エネルギを実現している．