実務者のためのビジュアル講座ひずみ基準の疲労寿命設計技術：第1回 1．材料繰返し応力－ひずみ応答と疲労特性;2．荷重の計数と疲労損傷

摘要

コンピュータおよび有限要素法などの解析ソフトの進歩により，疲労強度設計は，従来のマクロなS－N曲線による耐久限度基準の設計法から，応力集中部の弾塑性応力－ひずみ応答に基づく疲労き裂発生の寿命設計へと大きく変わりつつある．日，米，欧の自動車業界でも，この方法を基本とした，自動車のデジタルモデル（バーチャルモデル）による疲労強度評価の技術開発を強力に推し進めている．しかしながら，わが国ではこのひずみ基準の疲労寿命設計がいまだ定着せず，他国のように疲労設計のデータベースも組織的に蓄積されていない．