低サイクル疲労寿命に及ぼす繰返し予ひずみの影響とAEパラメータ変化に基づいた疲労損傷評価

摘要

平成19年に発生した新潟県中越沖地震に鑑み，過大荷重を受けた原子力発電設備の低サイクル疲労特性に関する知見拡充が急務となっている．さらに，機械と設備の安全性を確保する上では疲労損傷を検出する技術も大切である．現在，原子力発電設備等の供用期間中検査では超音波探傷試験（UT）等がプラント停止中に行われているが，検査の優先度の決定およびプラント停止期間の短縮などを目的とした運転中検査が検討されている．材料が微小変形あるいは微小破壊する際に放出される弾性波を検出することにより，損傷の発生や進展をとらえるアコースティック·エミッション（AE）試験は運転中にも実施可能な非破壊検査手法であり，運転中検査の候補になり得ると考えられる．