後工程をラクにするための樹脂部品モデリングの基礎をつかむ－金型に活かせるモデルづくりのコツ：これだけは避けよう,金型に活用できないモデル－(3)アンダーカット－アンダーカット形状での禁じ手の基礎

摘要

製品が求める機能ゆえに発生するアンダーカット形状については，基本的な処理方法をイメージしながら製品設計する必要がある．たとえばラピッドプロトタイピングなどで造形された試作品だと，どのようなアンダーカットでも作製されてしまうが，実際に量産部品を作るとなると，金型構造上処理が可能な形状に限られる．製品設計でイメージするアンダーカット形状が，現実に金型による量産で可能か否かを極力早い段階で見極めなければならない．なぜなら金型構造上処理できないアンダーカット形状は，設計変更を余儀なくされるからである．仮にその設計変更も関連部品に影響を与えない範囲で処理できればまだよいが，一般的にアンダーカット形状の変更は，機能の作用を転換させることにつながるため，必ず関連部品に影響を与えてしまう．最悪の場合には，大規模な設計の見直しとスケジュールの見直しが必要になるため，昨今の高密度設計では致命傷にもなりかねない．