設計開発における数値シミュレーション技術

摘要

製品の設計や設備保全などの課題解決は価格·経費·納期·時間との勝負が一般的で，これに対処する手段として数値シミュレーションが極めて有効であり，幅広く利用されている．そして，コスト的にも優れた開発の道具であることはいうまでもない．しかしながら，シミュレーションはあくまでも道具であって，目的とはならない．よく売れる商品開発に関する創意は，シミュレーション技術とは関係なく，技術者自身の能力によるものである．シミュレーションを利用することは大いに勧めるが，上の事柄を忘れてはならない．以上のことから，対象物の力学的挙動の解明を通して合理的な物の形態を決定することがシミュレーションの目的であることが理解される．力学的挙動とは，応力分布やすべりを含む変形状態および塑性域なとである．