ハイテク部品の超精密研磨加工技術－ストレスリリーフと超精密仕上げ〔総論〕：ハイテク部品の超精密研磨加工とストレスリリーフの重要性

摘要

今回は、この魅力ある最終仕上げに用いられるポリシングに焦点を当てて解説する。 一般に最終仕上げ加工の目的は、①仕上げ面粗さを向上させる、②加工歪みを除去する、の2つであり、この2つがともに必要な場合と、どちらか一方でよい場合がある。高反射率や高透過率を必要とする光学部品や、粗さが振動特性を劣化させる水晶振動子などは、①の目的でポリシング加工が行われる。しかし、加工による残留歪みが複屈折や振動特性にも多少の影響を及ぼすので、加工歪みもないに越したことがない。 半導体部品の基板として用いられる場合は加工歪みが上に付着させる物質の構造に影響を与えるので、その加工歪みを除去する必要がある。 また磁性材科では加工歪みの残留する部分は磁気的特性が悪化するので、やはり無いほうがよい。 機械的特性が問題になることもある。 薄肉の部品の場合は両面の加工歪みのアンバランスにより、そりやうねりが発生する。 また、最近の半導体基板や水晶振動子のように非常に極薄となってくると、加工歪みが割れ·欠けの原因となってしまう。 部品の表面に一定値の圧縮歪みを残留できるのであれば、そりやうねりも発生せず、また割れ·欠けに関しても耐性のある部品が製作できるかもしれない。 しかし、現実には何らかの加工により一定の均質な圧縮歪みを表面に残すことは不可能に近いので、それならばいっそのこと全く歪みの残留しない状態にしたほうがよいという話になる。