給水·給湯銅配管のマウンドレス型孔食に及ぼす水道水水質の影響

摘要

マウンドレス型孔食のモデル地区である登別市に、フィールド用配管を設置し、自然電位、電気伝導度の測定、および抜管調査を行い、管内を流れる水道水の違いが腐食発生に及ぼす影響について調べた。 以下に得られた結論を示す。 （）フィールド試験において、銅管の自然電位は測定開始より約6ヶ月間は、孔食地区の方が非孔食地区よりも高い値を示した。 その後は孔食地区の方は低下したのち、再び上昇した。 非孔食地区のほうは上昇を続け、約1年2ヶ月後において、両者の値は約0.08Vと等しい値を示した。 （2）水道水の電気伝導度は、測定期間を通じて、孔食地区の方が非孔食地区よりも的2倍近く高い値を示した。 （3）孔食地区の管内面は6ヶ月後において、下部に剥がれやすい緑青が発生し、1年後になるとその緑青が堅牢なものとなった．一方、非孔食の管内面は6ヶ月後、1年後においても顕著な緑青は発生せず、全体が水ガラス状のスケールで覆われただけであった。 （4）孔食は非孔食地区、孔食地区ともに発生した。 ただし、その進展状況に太きな違いが見られた。 6ヶ月後においては、孔食深さに大きな違いは見られなかったが、1年後になると、最大孔食深さにおいて、孔食地区の方が非孔食地区よりも3倍以上高い値を示した．