マウスポインタ操作を代替するシングルスイッチスキャン法の操作性評価

摘要

本論文は，重度肢体不自由者がシングルスイッチでパソコンのマウスポインタを操作するために用いる「自動スキャン法」について述べたものである．筋萎縮性側索硬化症（ALS），筋ジストロフィー1脳性まひなどによって－運動機能障がいをもつ患者は，病状の進行につれて徐々に全身の運動機能が低下していく．同時に発声機能が低下し，コミュニケーション障がいが生じることも多い．現在，そうした人たちのコミュニケーション支援?生活支援のために，パソコンが支援機器として広く利用されている．パソコンの機能である文の読上げ，電子メーノレ，インターネット，各種アプリケーションを活用すれば，重度肢体不自由着でも，他者との関わりや趣味·生きがいをもつことができる．．つまり彼らにとって，パソコンは単に便利な道具ではなく，自立生活や社会参加に欠かせないツールとなっている川．