第二高調波400nm近紫外フェムト秒レーザ加工を利用した光ファイバ導波路への分光セルの埋め込み－理論モデルによる吸光度特性の解析

摘要

フェムト秒レーザ加工を用いて，マルチモード光ファイバ導波路に微細な貫通孔配列を穿設することで，光ファイバによる液体の検出及び，分光計測が可能なセンサの開発を目指す．光ファイバのコアを貫く微細孔に液体を侵入させると，その液体の透過·吸収スペクトルの観察が可能である．また，貫通孔の体積が20pLであるため，微小量の液体サンプルに対しても用いることができる．さらに，光ファイバインラインで分光計測が可能となり，大規模な光学系や装置が不要であるため，その場計測を容易にすることが期待できる．すなわち，微小サンプルセルを光ファイバに直接埋め込むタイプの新たな光ファイバセンサである．本報では，色素（ローダミン6G）を用いて実験的に吸収スペクトルの観察を行い，計算モデルによってその性能評価を行った結果について報告する．