リソース有効活用のための自動経路集約システムと障害復旧方式の提案～NetroSphere構想実現に向けて

摘要

キャリアネットワークにおいて，従来の機能毎に開発された専用装置ではなく，汎用的な装置でネットワークを構成する事で，柔軟性の向上やコスト低減を目指した取り組みが行われている．比較的容量の小さい汎用装置で大規模なキャリアネットワークを構築するには，専用装置以上にリソースの有効活用が重要となる．特にパケット転送に必要な経路情報テーブル（PIB）は，スイッチLSI上に実装する必要があり，外部メモリ増設などで増強する事ができないものもあるため，効率的な利用が求められる．そこで本稿では，経路情報を収集して集約経路を計算し，網内の流通経路数を削減する事で，PIB の利用効率を向上させる方式及び経路集約時の障害復旧方式を提案した．汎用装置でネットワークを構築するために，通信ノードに当該提案機能を実装するのではなく，通信ノードから経路集約機能を切り出して実現する実装方式の検討を行い，一般的なプロトコルで実現できる事を確認した．さらに，シミュレーションによる特性解析を行い，提案方式によって最大で約40%程度経路を削減できる事を確認した．