マルチテナント型データセンタにおける低消費電力を実現する仮想網構築法の検討

摘要

クラウドサービスの普及に伴い，近年，データセンタの重要性が高まっており，1つのセンタで複数企業のデータを扱うマルチテナント化が期待されている．このようなマルチテナント型データセンタでは，ユーザの要求を満足する仮想網を構築することで，各企業がサーバ資源·ネットワーク資源を独立に使用することができる．また，データセンタの大規模化により，センタ内の消費電力増加が重大な問題となっている．そこで，本稿では，Fat-Treeトポロジで構成されたマルチテナント型データセンタにおいて，低消費電力を実現する仮想網構築法を提案する．提案方式では，ユーザからのサーバ利用リクエストに応じて，サーバ資源とネットワーク資源を選択して仮想網を構築する．このとき，データセンタ内で使用するリンク数が少なくなるようなサーバとリンクを選択できるように，4つの異なる手法を検討する．具体的には，各方式において，サーバの位置や残余資源量，リンクの使用状況を考慮して，サーバ利用リクエストを満足するサーバとリンクを選択する．これら4つの手法の性能をシミュレーションで評価し，様々な状況下で性能比較を行う．数値例において，提案する4つの方式の有効性について調査する．