上りリンクブロードバンドパケット無線アクセスにおけるマルチキャリア／DS-CDMAとMC-CDMAのリンク容量比較

摘要

本報告では,上りリンクブロードバンドパケット無線アクセスにおいて，非同期受信，パスタイミングあるいはシンボルタイミシグ検出，およびチャネル推定精度の影響を考慮したときの，マルチキャリア／DS-CDMA (MC/DS-CDMA：Multi-Carrier/DS-CDMA)とマルチキャリアCDMA (MC-CDMA: Multi-Carrier CDMA)の無線リンク容量の比較を行なった.シミュレーション結果より，非同期受信がMC-CDMAの平均パケット誤り率(PER: Packet Error Rate)特性に与える影響は小さく，さらに，MCIDS-CDMAにおけるパスタイミング検出精度は劣化するものの，MC-CDMAにおけるチャネル推定精度の劣化が大きく，12パスの指数減衰マルチパスフェージングチャネルにおいて平均PER＝10{sup}(-2)を満たす所要平均受信E{sub}b/N{sub}0（情報1ビット当たりの信号電力対牡音電力密度比）は，MC/DS-CDMAに比較して4.5dB程度劣化することを明らかにしたいまた．2ブランチのアンテナダイバーシチ受信を用いた場合に，所要PERを満たす同時接続ユーザ数は，MC/DS-CDMAはMC-CDMAに比較して2.5倍程度増大することができ，MC/DS-CDMAが上リリンクプロードバンド無線アクセスとして適していることを明らかにした．