自主保安時代の自家用電気設備の保守·点検(PART II)：スイッチギア、避雷器、保護継電器、進相コンーデンサの保守·点検

摘要

自家用電気設備の変圧器二次側の機器として、スイッチギアがある。 受電側のGISやTRなどと違い、実にさまざまな形態のものが設置され稼働中である。 設置されている環境も屋外、電気室、負荷設備側（機側）など多岐にわたる。内部には遮断器、計器用変成器／変流器、断路器、避雷器、電力ヒューズ、保護継電器、進相コンデンサ、計測制御機器など、多様な機器が設置され、それぞれの機能を果たしている。 これらの機器はそれぞれのメーカーが取扱説明書において機器独自の保守·点検を要請している。 しかし現実的には、遮断器·保護継電器などの主要機器にはおおむね反映されているが、その他の機器については外観検査程度で定期的な保守·点検が実施されていないケースが目立っている。 一方、設備も20～30年を経過したものが多くなり、故障確率が高くなる領域にさしかかっている。 さらに、これまで保守·点検を現場で支えてきた熟練技術者のリタイア（社会現象）の増加は、保守·点検を支える人的資源の質の低下をもたらしてきている。 負荷設備にはそれぞれの用途に応じて重要度の分類がされているが、IT化の進展によりこの重要度の格付けが全体に上がってきている。 このような状況下において事故の未然防止や機器の維持管理には、ポイントを絞った効果的な保守·点検が要求されている。ここでは、スイッチギアおよびその内蔵機器の保守·点検ポイントについて紹介するとともに、これに関連した最新の劣化診断·余寿命推定技術についても併せて紹介する。