施設·管理等

摘要

水力発電は河川等の流水の運動エネルギーを利用する発電方式である．わが国初めてとなる事業用水力発電所は19 世紀末京都に完成し，周辺地域に電力の供給を開始した．以降，全国に水力発電所の建設と高出力化が続き，長く電源構成の主力を維持することとなる．水力発電の特徴はランニングコストが低廉なこと，発電に際し二酸化炭素の排出がないこと，立地に制約があること，発電開始までのリードタイムが長いこと，自然環境および社会環境に影響を与えることなどが挙げられる．高度経済成長期を迎えると，産業の興隆による電力需要の急激な拡大に整備が追い付かないなどの理由により，電源構成の主力の座を火力発電に譲ることとなる．近年再生可能エネルギー電力の一つとして，例えば小規模水力発電など新たな形態をとり再び脚光を浴びつつある．