送電

摘要

直撃雷への対策としては，鉄塔頂部に架空地線を設けることが有効である．架空地線は，遮へい角θが小さいほど遮へい効果は高く，重要系統では架空地線を2条以上とすることでθ＝0°とさせている．なお，架空地線はこのほかに，通信線への電磁誘導障害の低減の役目もある．架空地線や鉄塔に雷が直撃すると，雷撃電流は鉄塔を介して大地に流れる．これによって，鉄塔電位が上昇し，この値ががいし連のインパルスブラッシオーバ電圧を超えると，鉄塔から電線への逆フラッシオーバが生じ，がいしの破損を生じる可能性がある．これを防止するために鉄塔の接地抵抗を低減する必要があり，埋設地線や深打電極および接地シートなどが施されている．なお，接地抵抗は土壌によって大幅に異なるが，設計目標として通常25Ω程度，耐雷性を高めるためには10～15Ω程度が推奨されている．