技術基準·解釈(5),電気関系報告規則－支線の強度,電線のたるみ

摘要

送配電線の架空電線路では，電線に弛度（たるみ）をもたせて張られている．電線の弛度を小さく，ピンと張ると電線やその電線を支える支持物に大きな張力がかかる．逆に，電線の弛度を大きくすると支持物や電線にかかる張力を小さくすることができるが，次のようなデメリットがある．·電線の地上高を確保するために支持物を高くしなければならず不経済；風による横揺れ，氷雪が付着した電線が風で上下運動する「ギャロッピング」，付着した氷雪が落ちることにより電線が跳ね上がる「スリートジャンプ」等による事故の確率が増す．また，電線は温度により伸び縮みするため，それによっても弛度が変化する。電線の弛度を決める際には，温度や電線にかかる風圧等，最悪気象条件下でも電線にかかる張力に対して一定の安全率を確保できるよう設計する必要がある．