電験第2種二次試験 スキルアップゼミ（6）：機械·制御誘導機②

摘要

今月は，誘導機の最大トルクと最大出力および比例推移について学びます．最大トルクについては第2種のみならず第1種でもたびたび出題されていますので，L形等価回路から最大トルクを発生する滑りと最大トルクの式を誘導することができるようになるまでじっくり学習して欲しいと思います．本稿では，最大トルクを発生する滑りと最大トルクの導出については微分法を使用せず，相加·相乗平均の関係から誘導する方法を示しています．トルクTの式を滑りsで微分して，dT/ds＝0を与える滑りs_(mt)を求めることによっても最大トルクT_mを誘導することができますが，s＝s_(mt)をトルクTの式へ代入して最大トルクT_mを計算するのは少し手間がかかりますから，相加·相乗平均の関係を用いて，最大トルクを発生する滑りと最大トルクを同時に導出しています．この結果から得られる，最大トルクを発生する滑りは二次抵抗に比例し，最大トルクは二次抵抗に無関係となるという事項は重要ですので覚えておくと便利です．最大出力については，参考程度で結構です．