誘導電動機の二次励磁方式に関するキーポイント

摘要

巻線形誘導電動機は，スリップリングを介して外部に引き出した二次巻線（回転子）に抵抗器を接続し，この抵抗器の抵抗値を可変する二次抵抗制御法によって速度制御が可能である．しかし，この方式は，二次抵抗損が大きく，効率低下の原因となる．また，負荷変化による速度変化の影響も大きく，さらに，軽負荷では制御が困難になるという欠点がある．そこで，二次抵抗に生ずる電圧降下に相当する電圧を外部から与え，その電圧のみきさおよび位相を調整することによって速度制御を行う二次励磁方式が考えられた．この方式では，二次端子における電力を補助変換装置を介して機械動力に変換し，誘導電動機軸に返還するクレーマ方式と，二次電力を補助変換装置を介して電源と同一周波数の交流電力に変換して電源に返還するセルビウス方式がある．