静止形無効電力補償装置は,スイッチング素子を利用して電力系統に発生する無効電力を調整する装置であり,受動形と能動形に大別できる.この装置を用いることで無効電力の変動による電圧変動や瞬時電圧低下の防止ができる.受動形無効電力補償装置は,サイリスタとリアクトルおよびコンデンサを用いて構成したものでSVC(static var controller)と呼ばれている.第1図に示す無効電力補償装置は,リアクトル制御形(TCR:thyristor-controlled reactor)SVCと呼ばれるものである.この装置は,コンデンサを常時接続しておき,サイリスタの点弧角を制御することでリアクトルに流れる無効電流を可変制御し,第2図に示すように無効電力を調整するものである.
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