高出力用途向け水冷リチウムイオン電池モジュールの開発

摘要

図1にリチウムイオン電池の代表的な適用機器と冷却方式の範囲について例示的にまとめた図を示す．充放電レートが比較的低い用途であれば空冷で十分に冷却することが出来るが，例えば架線レスLRT（Light rail transit）のように電池を搭載するスペースの制約が厳しく，高い充放電レートで長時間運用する条件においては冷却効率の高い水冷が用いられる．東芝インフラシステムズ（株）が製造するSCiBは高温貯蔵時の容量劣化が非常に小さいことが報告されているが［8］，一般的なリチウムイオン電池では有機電解液の反応を考慮すると55°C以下で使用するのが望ましい［9］．本稿では二次電池の冷却技術開発の一例として，高出力が要求される機器への適用を目的に，6C連続充放電において温度上昇を15K以下（40°Cの環境下で電池温度55°C以下を想定）に抑制する水冷電池モジュールの開発事例を紹介する．