イチゴの簡易で安価な高設栽培技術

摘要

最近のイチゴの生産状況は，後継者不足や生産者の高齢化が一層進行し，全国的に栽培面積は減少している。 岡山県においても例外ではない。 その一因として，イチゴ栽培では，足、腰に負担のかかる屈み作業が一年を通してあるという作業条件の悪さが指摘されている。 これの改善に向けて以前から様々な試みがされてきた。 その代表としてNFT式水耕栽培，ロックウール栽培等の高設栽培がある。 しかし，システムの価格が高いこと，暖衝能のない培地を用いることにより栽培管理が煩雑になることなどの問題があり，広く普及するに至っていない。そこで，岡山農試では大量生産されている安価な資材を用い，土壌を基本培地とした簡易で安価な高設栽培を開発し，併せて育苗の省力的作付体系を検討したので，その概略を紹介する。