耐火物の熱伝導率測定方法と幾つかの課題

摘要

耐火物の熱伝導率は，炉壁内部に温度勾配を生じさせ，炉体への各種の影響因子となっている。また，環境面からは，炉壁からの熱損失に関わる特性として重要である。そのため，その測定は，古くから各種の方法で行なわれてきた。また，耐火断熱れhがについては，1954年にJISR 2616（熟流法）を，1979年にJISR2618（熱線法）を制定している。しかし，耐火物全般を対象としたJIS化は，その必要性が説かれて2）久しい2007年まで待たなければならなかった。今回，2007年制定のJISR2251-1～-3の内容について，耐火物技術協会主催「環境と耐火物研究会」において標題の趣旨で報告せよとの要請を受け本稿を取りまとめた。本稿では，要請の趣旨にそって，新たに制定されたJISを試験測定技術面から紹介し，測定技術的に考慮しなければならない点を述べ，更には新たに検討を要する課題について報告する。また，古くて新しい課題である“耐火物の熱伝導率測定へのレーザフラッシュ法の適用”問題についても測定技術面及び最新の情勢について紹介する。