日本に於ける耐火物規格の変遷（第23回）昭和30年日本工業規格Ⅵ

摘要

この規格は昭和27年（1952）制定されたJIS R2001の「耐火レンガの一般通則」が分割されて改訂されたものである。この改訂に当って特に考慮され，文論議の中心となった点は「標準並形耐火レンガの形状の統一化」であった。戦前も吾が国の工業が欧米各国の先進技術及び長所の採用が頻繁であった為に，これに使用される窯炉の耐火レンガの普通形状すらも，それ等の設計通りのものが採用されて，並形の種類も依然として，英国並形，独逸並形，瓦斯並形，東京並形，規格形（日本標準規格……大正14年9月制定）等があって，需給の円滑を甚だしく阻害していた。大正14年制定の規格並形も当時，形状統一の必要から出来たものであったが，制定基準を追って，国全体の需給の調査が不備であったらしく更に使用面に採用されずに，その後昭和17年JES制定時にはこの形状の需要は生産量の1％内外でしかなかった。昭和15年には国内の耐火物の需要数量は急激に上昇したので，再び並形の形状統一が焦眉の急となり，工業品規格統一調査会で6月に需給両者の合議の結果によりJES並形230×114×65mmを定め，昭和17年3月には臨時日本標準規格として公布された。