国有商業銀行に450億ドルの資本注入--人民元開放控え体力強化へ

摘要

国務院の決定として新華社電が2004年1月6日に伝えたところによると、中国政府は四大商業銀行のうち、中国銀行と中国建設銀行に対し、450億ドル（約4兆7,700億円）の資本注入を実施した。 自己資本の拡充と不良債権の抜本処理を進め、香港市場などへの上場を目指す.巨額の資本注入に踏み切った背景には、世界貿易機関（WTO）加盟時の約束に基づき、2006年12月まで走人民元取り扱い業務を海外金融機関に全面的に開放するのを控え、銀行の経営体力増強を計る狙いがある。 四大商業銀行は中国鏡行、中国建設銀行の他に、中国工商銀行、中国農業鹿行がある。 四行合計で貯蓄の6割強を占めるなど金融システムの中核を担っており、中国経済が国際競争力を一段と高める上で不良債権をいかに処理するかが焦点となっていた。 四行の不良債権額は2003年9月末で1兆9,880億元（約22兆8,000億円）。2003年6月現在の不良債権比率は、建設銀行が12.9％、中国銀行が19.1％と両行が20％を切っていた。 四大商業銀行の残りの工商銀行は22.0％、農業銀行は不良債権比率を公表しておらず、貸出残高に対する比率は21.4％の高水準に達している.