応力3軸度と延性破壊メカニズム

摘要

ηは応力3軸度であり，静水圧応力σ{sub}mの相当応力σ{top}-に対する割合で表される．したがって，例えば，応力3軸度が0である場合の応力状態は，静水圧応力成分が0，つまり純せh断の応力状態を意味することになる．ところで，この応力3軸度の大きさによって，材料内部に発生する破壊メカニズムが大きく変化することが知られている．そのため，材料や構造体の破壊を評価する際には，相当ひずみ量と同じく，重要なパラメータとなる．これまで，延性破壊の微視的メカニズムに関する研究は数多くおこなわれてきたが，これらの研究の大半が高い応力3軸度域におけるものであった．ここでは，この高応力3軸度域における破壊メカニズムに加えて，負の応力3軸度域における破壊メカニズムについても紹介する．