ホログラフィ干渉法による人工股関節部の変形解析

摘要

ホログラフィ技術を生体に用いる場合，記録中に被写体である生体が静止していることが必要である．一般には，露光時間を短くするために高価なパルスレーザ光が用いられる．ただし，強いレーザ光は皮膚表面を損傷する危険性があるので十分な注意が必要である．生体の発声，筋肉，肺，心臓などの動きによる生体表面の微小な変形パターンを計測し，表面から比較的に浅い内部状況の推察が試みられている．眼底の血管組織の診断や内視鏡などへの応用も見られる．またCT画像等をホログラフィ記録することにより，生体構造の三次元構築が可能となり，医療診断や手術支援などへの発展が期待される．一方，整形外科分野への適用では，骨折や人工関節の治療方法の評価に関するものが多い．本稿では，著者らが行ったホログラフィ干渉法の人工股関節部周辺への適用例について述べる．